遺言について
Q:自分で次のような方法で遺言をしました。正しいのはいくつありますか?
① 鉛筆で、内容、日付(平成12年8月吉日)、氏名をノートに書いた。
② ボールペンで、内容、日付(平成12年8月12日)、氏名を広告の裏に書いて認印を押した。
③ ワープロで、内容、日付(記載しない)、を印刷して、実印を押した。
④ テープに、内容、日付(平成12年8月)、氏名を録音した。
⑤ ボールペンで内容、日付(平成12年8月12日)、氏名を書き実印を押し、封筒に入れ封をした。
A:2つ
解説に入る前に、遺言の種類を紹介します。
1 自筆証書遺言(民法 968条) 2 公正証書遺言(民法 969条) 3 秘密証書遺言(民法 970条) 4 一般危急時遺言(民法 976条) 5 難船危急時遺言(民法 979条) 6 伝染病隔離遺言(民法 977条) 7 在船者遺言 (民法 978条)
民法では、以上の7つの方法が定められています。このうち4から7は、特別な事情がある場合の方法であるので、今回は省略します。
1 今回、問題として取り上げたのは1の自筆証書遺言です。一番手軽で費用もかからない反面、要件を満たさないために効力が生じなかったり紛失の恐れがあります。
自筆証書遺言の要件
(1)遺言所の全文・日付・氏名を自書すること
(2)押印すること
このように、要件は厳しくありません。詳しく要件を見ていきます。
遺言を書く用紙に決まりはありませんので、広告の裏(②)でもかまいませんし、鉛筆で書いても(①)大丈夫です。ただ、後日遺言を偽造されないためにも、⑤のようにボールペンで書いて封筒に入れて封をすることをおすすめします。
自分で書く必要があるので、ワープロや録音したものは無効です(③・④)。
日付は、何年何月何日のように具体的に特定されていなければなりません。吉日や日付を入れないもの(①・③・④)は、無効です。
押印する印鑑は認印でもかまいません。ただ認印ですと他人が書いたのでは、と疑われるので、本当に自分で書いたことの証拠として実印を押したほうがよいです。
2 公正証書遺言は、公証人が関与するので正確な遺言ができますし、遺言は公証人のもとに保管されるので、偽造や紛失の心配もありませんが、費用がかかります。公証人のところへ証人二人と行き、自分の遺言したい内容を話せば遺言を書いてくれます。
3 秘密証書遺言は、自分で書いた遺言を封に入れる時に公証人や証人に立ち会ってもらい、封に入れたことを証明してもらう方式です。2と違い、内容が他人に漏れずに遺言をすることができます。
1と3は、遺言者が死亡したときは、家庭裁判所で方式に誤りがないかの手続(検認という)を受ける必要があります。また、封印のある遺言書(⑤)は、家庭裁判所で相続人又はその代理人の立会のもとに開封する必要があるので注意が必要です。